インターネット犯罪
裁判紛争調査機関 (福岡県公安委員会第90070018号)では、インターネットにおける著作権や名誉毀損に関する調査を行っています。
代表である高木淳也は、弁護士に依頼せず本人訴訟による行政訴訟や著作権及び名誉毀損に関する情報蒐集と対策を行っています。
著作権に関しては、著作権法に則り、著作物を公衆送信(自動公衆送信の場合は、送信可能化を含む)する行為(23条1項)等、インターネット上の違法行為を調査し、日付確定を行った証拠蒐集致します。
著作権侵害罪は親告罪(123条1項)に当たるため、著作権を『故意』に侵害した者に対し告訴しなければなりません。
罰則としては、10年以下の懲役または1000万円以下の罰金に処せられる(119条)刑事告訴と民事における損害賠償請求が対象となります。
キュレーションサイト、所謂まとめサイトですが、著作者が意図的にPing送信した写真や記事の内容をAPIを利用して、キュレーションサイトとしてアップすることは、引用とは言い難いサイトが多く、状況によっては違法として告発できます。
続いて名誉毀損についてですが、法律上の定義としては、「不特定または多数人が認識できる状況下で、人の社会的評価を低下させるに足りる具体的事実を告げて、人の社会的評価を低下させる危険を生じさせること」となされています。
即ち、インターネット上の書き込みで名誉を傷つける場合、不特定または多数人が閲覧し得るものなので、具体的な事実が書いてあれば名誉棄損が成立します。
名誉毀損罪の法定刑は3年以下の懲役もしくは禁錮、または50万円以下の罰金です。その他、民事では損害賠償請求が行なえます。
加えて、2022年10月1日より、「プロバイダー責任制限法」の改正法が施行されました。この改正法により、従来の2段階の裁判手続きを行う方法とは別に、1つの手続きで発信者情報の開示まで行えるのです。
内容としては、コンテンツプロバイダーへの申し立てと経由プロバイダーへの申し立てが併合され、同一の手続きで審理され、審理中に発信者情報が消去されることを防ぐための申し立ても併せて行えるものです。
この改正により、よりスムーズな発信者情報の開示が行われ、被害者が権利侵害情報を発信した者に対して、法的責任を追及しやすくなりました。
また、侮辱罪は拘留(30日未満)か、科料(1万円未満)と規定されていました。刑の重さで原則決められている公訴時効も、名誉毀損罪が3年なのに対し、侮辱罪は1年と短いのです。
しかし、近年のインターネット上の誹謗中傷が特に社会問題となっていることを契機として、誹謗中傷全般に対する非難が高まるとともに、こうした誹謗中傷を抑止すべきとの国民の意識が高まっている事を鑑みた政府は、侮辱罪の法定刑を引き上げ、厳正に対処すべきとの法的評価を示しました。
これらにより、2022年(令和4年)6月13日、「刑法等の一部を改正する法律」(令和4年法律第67号)が成立し、そのうち、侮辱罪の法定刑の引上げに係る規定は、同年7月7日から施行されました。
今回の改正により、侮辱罪の法定刑が「拘留又は科料」から「1年以下の懲役若しくは禁錮若しくは30万円以下の罰金又は拘留若しくは科料」に引き上げられています。
(侮辱)第231条 事実を摘示しなくても、公然と人を侮辱した者は、1年以下の懲役若しくは禁錮若しくは30万円以下の罰金又は拘留若しくは科料に処する。 公訴時効期間は3年(刑事訴訟法第250条第2項第6号)※施行3年後における施行状況の検証が附則に追加
ネット上の投稿は加害者の特定に時間がかかり、摘発できないケースもありましたが、法改正により、刑事事件への提訴が加速しています。
また、「ストーカー行為等の規制等に関する法律」の一部が改正され、改正前は、待ち伏せなど、現実社会での付きまといのほか、拒まれたのに執ように電話やファクス、電子メールを送ることなどを付きまとい行為としていましたが、改正法では、TwitterやLINE、ブログなど、ネット上の「付きまとい」も対象となりました。
加えて、被害者が告訴しなくても起訴できる非親告罪に変更され、ストーカー行為の罰則は、懲役6月以下、罰金50万円以下から、1年以下、100万円以下に引き上げられました。
その他にも多くのネット犯罪が混在し、「自画撮り写真の交換に端を発した脅迫被害」、「個人や学校などへの脅迫行為や犯行予告」、「フリマなどネットを介した個人間取引によるトラブル」等、法整備が遅れている現状が伺えます。
インターネットを悪用した法整備が進んでいますが、全ては証拠蒐集にかかっていると言っても過言ではありません。
では、著作権侵害及び名誉毀損等、告発の流れを説明します。
プロバイダの特定
全てのSNSを対象としたプロバイダの特定と日付を確定するキャプチャー作業を行います。
プロバイダへ発信者開示請求
全ての証拠を添え、プロバイダ責任制限法に基づき、発信者開示請求を行います。
拒否の場合
犯行を行った者に確認が行われます。以前ほど酷くはありませんが、プロバイダが積極的に開示することはありません。
ログ取りは完了しているので
この時点で返答があれば、プロバイダはログの確認を行っていることになります。
相手の確認が取れている訳ですから、ログの保存を依頼することも重要です。
裁判所へ
当然ながら、最初からプロバイダを介さず裁判所において発信者開示請求を行うことも可能です。
証拠さえ揃っていれば、殆どの場合開示してくれます。
この時点で、プロバイダに対し、プロバイダ責任制限法に基づき送信防止措置を講じ、削除して貰うことが重要です。
発信者開示請求及び削除願い
プロバイダが削除できない理由がある場合、仮削除命令を裁判所に請求します。
海外に本拠地を置いている法人が管理する掲示板等も手続きの流れは変わりません。
犯行特定
刑事告訴及び民事訴訟へ
上記が大まかな告発までの手順です。弊社が行う作業は、証拠蒐集(調査)までです。弁護士法72条に抵触する行為は一切行っておりません。
芸能人の場合は、パブリシティ権や著作隣接権を有しているため、権利の主張は勝訴している判例が多数あります。
名誉毀損等に関しましては、平成25年9月6日、東京高等裁判所が『ネット転載』での名誉毀損を認めました。
地裁判決では「すでに公開されている情報を転載しただけでは、社会的評価を低下させたとは言えない」との理由から『名誉毀損にはならない』と原告の請求を棄却しましたが、高裁判決では一転、「転載によって情報を拡散させ、社会的評価をさらに低下させた」として名誉毀損が認められた形となりました。
重要な課題は、しっかりとした証拠蒐集が必要です。
上記は、「Yahoo!掲示板」に書き込まれた中傷記事を匿名で「2ちゃんねる」に転載していた事案です。 先ずはプロバイダを特定し、法律上告発できる案件なのかをしっかりと抑える必要があります。
また、このような判決が下された事案を覆すことは難しく、『匿名』を利用した悪質な行為に厳罰が下されています。
同様に平成25年9月6日、東京高等裁判所は、「雑誌・インターネットのサイト等に掲載されていた原告を誹謗中傷する記事が、インターネットの別サイト上に転載されたことは名誉棄損に当たる」としてインターネットプロバイダに発信者情報の開示を求めた事案において、『転載しただけでは、転載元に記載されている以上にその人に対する社会的評価を低下させることにはならない』として名誉毀損の成立を否定した地裁の同年4月22日の判決を取消し、プロバイダに対する発信者情報の開示を認める判決を出しています。
つまり、インターネットニュースであろうが、雑誌であろうが『転載』し、名誉を毀損する内容を公衆に送信することは出来ないという判決です。
著作権法上の『引用』とは異なり、大本の記事自体も名誉毀損に当たります。これがキュレーションサイト(まとめサイト)にも適用される可能性があります。
加えて、判例により発信者情報開示請求は、プロバイダが拒否しても裁判所において開示の命令が出されています。
著作権侵害や名誉毀損を始めとする犯罪行為には早急に対処することが肝心です。 匿名性が保たれるのは、違法行為がない『表現の自由』だけです。
上記のような場合で、『警察が動いてくれない』と言う相談を受けることがあります。
確かに弊社においても確認を行いましたが、対応は十分とは言えません。
これは、警察法(警察の責務)第二条に記されている『警察は、個人の生命、身体及び財産の保護に任じ、犯罪の予防、鎮圧及び捜査、被疑者の逮捕、交通の取締その他公共の安全と秩序の維持に当ることをもってその責務とする』の犯罪の予防に関する解釈が『証拠不十分』及び『民事不介入』と言う不可解な盾により、対応が横柄になっているものです。
しかし、現実は未然に警察が対応しておけば、防げた事案はいくらでもあります。警察はどのような場合においても適切な説明と対応が求められるのは必須であり、そのために国が定めたプロフェッショナル組織なのです。
余りに対応がずさんな場合は、警察法における(苦情の申出等)第七十九条 都道府県警察の職員の職務執行について苦情がある者は、都道府県公安委員会に対し、国家公安委員会規則で定める手続に従い、文書により苦情の申出をすることができる。と明記されているように毅然とした態度で申し出ましょう。
しかし、このような事案は、一部の警察官の対応であり、警察自体は、大変な努力と法に適した対応を行っております。
一部のずさんな警察官の対応に落胆しないで下さい。
特定人物の犯行の保存
弊社が犯行を記録している中で名誉毀損や著作権侵害等は、嫌がらせやねたみの一環が強く、社会不適合者の犯行が目立ちます。
よって、特定した人物は、犯行を繰り返す可能性が極めて高く、同一人物の可能性が高まっていることが記録されています。
よって、発信者開示請求を根気よく行って特定者を保存し、有効期間ギリギリまで記録を続け、悪質さを含めて刑事告訴を行って行きます。
切望としては、匿名性を利用した姑息な犯行に実刑を受けさせたいとの思いです。